木鶏室金石選集

 中国の書の歴史は3000年にわたり、多種多彩な書跡群がある。古代
 から中世に眼を向けると、まず殷の甲骨文字群、殷周の青銅器文化に
 よる金文、ついで両漢時代の石刻を中心とした漢碑群がある。さらに進
 んで南朝東晋の王羲之を華とする尺牘による行・草書世界が、また北朝
 では北魏の楷書による夥しい量の石刻群が出現する。また西域を中心
 とした木簡・写経。残紙刷類がある。そして隋の中国統一を経て唐時代
 に入り、初唐の虞世南・欧陽詢・
チョ遂良それに顔真卿を軸とした多数の
 書人が登場してくる。木鶏室・伊藤滋氏はこの金石碑帖の世界の研究
 を30年にわたり続けており、まさに足で集めたといえる名品・珍品が数多
 く収蔵されている。今回、これらの貴重な碑法帖の中から、書道学習者の
 視点に立っていくつかの古典を選び、刊行することになった。「木鶏室金
 石選集」と名づけられたのがこのシリーズである。


 ※チョ遂良・・・チョの漢字はころも偏に者です。



  第1巻 開通褒斜道刻石
       
(かいつうほうやどうこくせき)

   編著者 伊藤 滋           定価 (本体3,800円+税)
   B4判 64頁 整本縮小折込付  ISBN978-4-8195-0212-2

  現代見られる最旧拓と思われる「開通褒斜道刻石」を原寸で収録。1頁に1〜3字
  の迫力ある紙面に、最旧拓の持つ力を内に秘めた温和な書風がなんとも魅力的です。
  巻末に左右78pのカラー整拓を折り込みました。



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